ホーム > 慢性便秘の疫学 > 日本人の便秘有訴者率

第1回 日本人の便秘有訴者率
高齢者に多く、年々増加の傾向に。

便秘の有訴者率は70歳以上で急激に増加します。

図1 便秘に対する有訴者率

平成25年 国民生活基礎調査(健康票)より作図

平成25年に行われた国民生活基礎調査によると、便秘の有訴者(※1)率は人口千人につき、全体では37.8、男女別にみると男性では26.0、女性では48.7であり、便秘を自覚するのは女性の方が多いことがわかりました。有訴者率は、男女共に年齢とともに増加する傾向にあり、特に70歳以上での急激な増加がみられます。

有訴者率を男女別にみると、男性では、50歳代まではほぼ横ばい状態であるが60歳を過ぎると急激に増加し、80歳以降では逆転し、女性よりも多くなります。一方、女性では、15歳を過ぎたころから増加、その後60代まで大きな変化はありませんが、70歳以降で再び増加がみられます。

※1:有訴者

  1. 世帯員(入院者を除く)のうち、病気やけが等で自覚症状のある者。
  2. また、有訴者率とは、人口千人に対する有訴者数をいい、以下の式によって算出される。
\[ 有訴者率 = \frac{\;\;\;有訴者数\;\;\;\;\;\;}{\;\;\;世帯人員数\;\;\;\;\;\;\;\;} × 1,000 \]

日本人の便秘有訴者率は、わずかながら増加する傾向にあります。

図2 便秘に対する有訴者率

平成10年、平成16年、平成19年、平成22年、平成25年 国民生活基礎調査(健康票)より作図

統計開始以降の経時的な推移をみてみると、全体の有訴者率は少しずつではありますが年々増加傾向がみられました(平成10年:33.1、平成25年:37.8)。有訴者率を男女別にみると、女性はほぼ一定であったのに対し、男性は増加しつづけ、平成10年と比較して平成25年は7.4/千人対、増加していました。

便秘の有訴者率は、高齢になるほど増加するため、増加原因のひとつとして男女ともに平均寿命(※2)が80歳を超えるなど人口の高齢化が関連している可能性もあります。ただし、直接的な原因かどうかについては明らかになっていません。

※2:平均寿命

  1. 【平成10年】男性:77.16歳 女性:84.01歳
  2. 【平成25年】男性:80.21歳 女性:86.61歳

また、慢性便秘症に関する疫学調査はまだ十分ではなく、診断・治療の手がかりとなる便秘の実態を捉えにくいのが現状です。小児に関しては、「小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン」への記載がありますが、地域レベルの報告が少しあるのみで全国規模の疫学データの集積は今後の課題となっています。